プロパティマネジメント

アパート・マンション投資

 1.賃貸管理とプロパティマネジメント(PM)

「賃貸管理」と言いますと、建物の清掃、メンテナンス等を想像されるかと思います。最近、少しづつ「プロパティマネジメント(PM)」という言葉を日本でも聞かれるようになって来ました。

ではプロパティマネジメントとはどの様なものなのでしょうか?プロパティ(Property)は不動産、マネジメント(Management)は管理、二つ合わせて「不動産管理」となる所ですが、本来マネジメントとは「経営」の意味が強いのです。

ですから、プロパティマネジメントをあえて訳するなら「不動産経営管理」と呼ぶのがふさわしいと思います。そしてプロパティマネジメントの最大の目標は、オーナー様の「キャッシュフローの最大化を図る」事なのです。

2.時代はプロパティマネジメントへ…

最近、国内では新築の賃貸物件が急速に増えております。すでに地域によっては、供給過剰により新築なのに部屋が埋まらないという問題が多数発生しております。

一昔前なら建てれば即満室だったのが、今ではせっかくアパート・マンション投資しても逆に損をする事態になってきています。

プロパティマネジメントは、こうした状況に対処すべくオーナー様のアパート・マンション経営をプロの立場から経営代行管理させていただきます。

3.プロパティマネジメントの内容

(1)企画の重要性

新築にせよ、リフォーム(リノベーション)にせよ、需要のない間取り・建物では意味がありません。要するにこれからは「物件に力」がないと安定した賃貸経営は難しくなります。

「力」のある物件は、普通の物件より高い家賃設定が可能で「解約率」が低く、「空室期間」も少なくなります。また、家賃下落局面において、下落幅が少なく安定した経営が可能です。従来、賃貸業と建築業は別々に歩んでいました。賃貸業は、客付けに集中しそして建築業は建物を建てたらそれで終わりという、両者には「オーナー様の収益拡大のために」というような考えはあまりありませんでした。

しかし、これからの賃貸経営では企画段階から建築そして物件の運用と、オーナー様から見ますと一連の流れをマネジメントしていかなければなりません。弊社では、建築と賃貸のノウハウを生かし、オーナー様と良好で長いお付き合いができることを目指します。

(2)プロパティマネジメントの実務

プロパティマネジメント実務では「改善提案ができる事」のひとことに尽きるのではないでしょうか?
ここで実際の提案を見てみましょう。

【事例】
オーナー様より保有されているアパートの空室が増えてお困りとのご相談を受けました。

(a)従来型の管理会社
→「家賃を5,000円下げましょう!」

(b)プロパティマネジメント会社
→「家賃を5,000円下げるのと、エアコンをつける等してお部屋の価値を上げ、そのための借り入れをし、その借り入れを月々5,000円返済するのは同じキャッシュフローです(※)。キャッシュフローが同じならお部屋の価値を上げたほうが、入居者にとってプラスですし、ひいてはオーナーにもプラスになります。」

※月々5,000円を借入返済にあてると、いくら借りられる?
(条件)月々返済5,000円 金利1.8% 期間10年→約550,000円借りられる!

55万円あれば、その部屋だけでもクロスの張替え、キッチンセット交換、防犯カメラの設置など様々なことが可能です。
この様な提案はプロパティマネジメントだから出来るのです!

4.アパ・マン投資は実質の収入(NOI)で判断!

投資物件の広告を見ると、相変わらず「表面利回り」や「満室時の収入」しか記載が無いものが多くあります。それでも最近では「ネット利回り・ネット収入」など実態に近い資料を記載している物件も少しずつ増えてきました。それでは、実質の収入とはどのように計算されているのか見てみることにしましょう。

まず初めに、その物件が満室で滞納が無いときの年間収入を把握しておきます(これを「GPI(総潜在収入)」。このGPIから空室が発生した時の損失及び家賃の滞納があった時の損失を控除します。この金額が「EGI(実効総収入)」と言います。

さらに物件の共用電気代や固定資産税などの「OPeX(運営費)」を引いたのが「NOI(営業純利益=ネット収入)」となります。言葉だけでは分かりにくいので図表にすると右記の通りとなります。

このNOIを物件の取得金額で割ったのがFCR(総収益率=ネット利回り)となるのです。そしてNOIから年間のローン返済額(ADS)を引いたのが手元に残る現金、いわゆる「キャッシュフロー」となるのです。

総潜在収入(GPI) − 空室損失・滞納等賃料未回収損失 = 実効総収入(EGI)

実効総収入(EGI) − OPeX(運営費)[ 共用電気代・固定資産税 ] = 営業純利益(NOI)

営業純利益(NOI) ÷ 物件取得金額 = 総収益率(FCR)

営業純利益(NOI) − 年間ローン返済額(ADS) = 手元に残る現金(キャッシュフロー)

5.投資判断は単年度だけではなく複数年度で判断する!

上記は不動産投資を行う上での基礎となる部分なのですが、あくまでも一時点の金額でしかありません。我々は写真を撮ったときのようにその時一瞬を例えて「スナップショット」と言っています。しかし、投資を一瞬で考えて良いのでしょうか?不動産はその名の通り通常は短期間に売買が成立する性格の投資商品ではありません。仮に現在満室の物件であっても空室が増える可能性はあります。また年数が経過するにつれ修繕費用もかかってきます。

ここであなたにこんなお話があったとします。「今10万円をもらうのと来年10万円もらうのとどちらにしますか?」

答えは当然、今もらいたいと思います。それではなぜ今もらうと判断したのでしょう。それにはこんな理由が考えられます。もらったお金を銀行に預ければ少なくとも10万円以上になっている。また来年になったらお金がもらえなくなるかもしれない。

ここまでお話するとお気づきかと思いますが、これには「時間」が関係しているのです。今日もらった10万円を銀行に年利5%で1年預けると1年後には10万5千円になります。ということは、5%で運用できるなら1年後の10万5千円は今の10万円に等しいということになります。

金利上昇局面に入りつつある経済状況の中、この「時間的価値」を考慮することは大変重要になってきます。
それでは不動産投資の具体例を見てみることにしましょう。

(例)
木造アパートを全額現金で50,000千円で購入し5年目まで各年5,000千円の家賃収入があった場合。(ここでは5年目に55,000千円で売却したことにします。

上記の例でこの投資が良い(プラス)のか悪い(マイナス)のかは一目では分かりません。これは先ほどお話した時間を考慮しなければならないからです。

要するにモノサシを現在に揃えるのです。上の図を見ると投資がプラスになるには、1年目から5年目までのキャッシュフローの合計を現在の価値に換算した金額が投資額を上回っていなければなりません。仮にアパートオーナーが7%の投資利回りを必要としていた場合、この投資はプラスになるのでしょうか?この程度であれば手計算もできるでしょうが、CPMは専用の金融電卓で計算します。

そうすると現在のモノサシに換算して約9,700千円のプラスになります。従って、このケースの場合は投資が的確と判断される訳です。この将来のキャッシュフローの合計を現在の価値に換算した金額から投資金額を引いたものが「正味現在価値(NPV)」といいます。

次に初期投資から売却まで全体の投資利回りを見てみましょう。

上記の例で取得時のFCR(ネット利回り)は、5,000千円÷50,000千円=10%となります。それでは売却するまでの全体では何%になるのでしょうか?

これを計算するには、先ほど述べた1年目から5年目までのキャッシュフローの合計の現在価値と投資額が等しくなる利回りを求めることが必要となります。上記の例ですと11.59%になります。これを複利の利回り(IRR)と言います。上記の例では売却としていますが、長期間保有する場合でも今売却したらいくらになるかを算出して、IRRを把握することは有効でしょう。そうすることによって、場合によっては長期保有より売却が良いこともあるかもしれません。

ちなみに今回のケースでオーナーが12%の投資利回りを期待したとしたら、この投資は適正でしょうか?賢い皆さんならお分かりかと思いますが、上記のIRRつまり物件の複利の利回りが11.59%しかありませんから、12%を期待してもNPVは計算するまでもなくマイナスになりますね。(この場合NPV=-76万円)

このように単年度利回りだけで投資判断するのは危険です。様々な投資分析によって可能な限りリスクを回避しましょう。結論として他の投資も同じですが、投資期間全体でどれだけ手元に現金が残るのかが大切なのです。

この機会に是非弊社へご相談ください

6.投資分析で適切な判断

企業(特に上場企業)では、キャッシュフロー計算書という資料を公開しています。
では、オーナー様はキャッシュフローを意識して経営されていますか?
プロパティマネジメントでは、キャッシュフローを基に様々な角度から分析をし、最適な運用を行います。
それでは、分析の一例を少し見てみましょう。

【レバレッジ効果】

アパート・マンションを取得される際に全額自己資金で購入する方は、あまりいらっしゃらないと思います。それは、金銭的に限界がある理由ともう一つがこれからお話します「レバレッジ効果」です。レバレッジとは、「テコの原理のテコ」を意味するものです。

もし1億円の手持ち資金があると仮定しましょう。自己資金を2,000万円にとどめておき、残り8,000万円をローンにします。すると、全額自己資金では1億円の物件を一つしか購入できないものが、このようにローンを利用すると単純計算だが同様の物件を5つ購入することが出来ます。(実際は物件のリスク分析など、上記のような簡単には判断できません。)

このように少ない金額で大きな投資ができることを「レバレッジ効果」と言います。レバレッジ効果は他にも下記のような分析も出来ます。

(A)全額自己資金で購入したときの投資収益率(FCR)…営業純利益÷物件の総価値
(B)ローンを利用したときの自己資金配当率(CCR)……キャッシュフロー÷自己資本(投資金額)
(A)<(B)の時、そのローンは有効に役立っていると言える。つまりレバレッジ効果があると言えます。

そのほかにも様々な事例に対応致します。お気軽に弊社までお問い合わせください。

7.必見!アパート・マンション経営の勘所

~これからオーナーになる方、すでにオーナーになられている方へ~

オーナーの皆様、建物を建設(所有)する際に、どの様な目的を持って建てられますか?また目標は何ですか?

残念なことに多くの方は、建築業者様や不動産業者様の勧めるまま建築、購入しているのが現状です。そして、オーナー様も建物を「所有」することで満足されています。

しかし、賃貸物件を所有するということは物件の「経営者」でもあるのです。そしてそれは建物を建てる(購入する)前から始まっているのです。

例えば、皆さんの目標とする投資利回りは何%ですか?年間自由になるお金はいくら必要ですか?
借入金利が上昇した際に何%まで耐えられますか?物件の損益分岐点は?

その他たくさんありますが、こうした目標や基準を持っているでしょうか? 何事も目標が無くては成功はありませんよね? アメリカでは、オーナーそれぞれが目標を持って賃貸経営をしています。 もし、自分ひとりでは難しいと思われるのであればお早めに弊社のようなプロに相談されることをお勧め致します。 私たちはオーナー様の「共同経営者」として皆様をサポートし 「オーナー様の収益の最大化」に貢献していきたいと考えています。